Life on a long and winding road.「長く曲がりくねった道の上の人生」vol.11

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第20章:SAS(睡眠時無呼吸症候群)とCPAP

この頃は毎日ウォーキングに励んでいました。友人と一緒の時もあれば、一人で黙々と歩くことも。歩数は1万歩から2万歩と、かなりアクティブに過ごしていました。特に友人と2万歩歩いた日は、さすがに疲れてしまい、バスで帰ることに。学生時代は運動部に所属し、筋トレや格闘技も経験していたので、体力には自信があったのです。

しかし、そんな私にも、ある頃から異変が。就寝時に激しいいびきをかくようになり、近所から苦情がくるほどでした。自分では気づけなかったので、友人に頼んで寝ているところを録画してもらいました。映像を確認すると、大きないびきの後、何度も呼吸が止まっている様子がはっきりと映っていたのです。それに加えて、熟睡感がなく、日中は強い眠気に悩まされるようになりました。

これらの症状から、睡眠時無呼吸症候群1SAS)を疑い、呼吸器内科を受診。検査の結果、中程度のSASと診断されました。治療法として、就寝時にCPAP2持続陽圧呼吸)装置を使用することになりました。様々なタイプのCPAPがありますが、共通して空気を送り込むことで呼吸を補助します。マスクの装着は慣れるまで苦労しましたが、周囲のSAS患者さんからもよく聞く話です。

当初は慣れるまでかなり苦労しましたが、今では装着しないと熟睡できません。
私はどうすればCPAPに慣れる事が出来るのかを想定して実行してみました。

  • 寝る前の薬を飲んですぐにCPAPを装着する
    ⇒CPAPのマスクの接触部分が気になり入眠し辛い ✖
  • 寝る前の薬を飲んで眠気が出てきたらCPAPを装着する
    ⇒程々の眠気ならばマスクの接触部分が気になる前に割とスムーズに入眠できる ◎
  • 寝る前の薬を飲んで眠気が強くなってからCPAPを装着する
    ⇒時々、CPAPを装着せずに寝てしまう為にあまり効果は見られない △

こうして様々な対処法を駆使して、徐々にCPAPに慣れて来ましたが、ここから更なる試練が待ち受けていようとは予想もしていませんでした。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断されCPAPを装着で就寝する事で学んだこと

1.睡眠時無呼吸症候群(SAS)について

  • SASは、日中の強い眠気や集中力の低下など、日常生活に大きな影響を与える可能性がある病気です。
  • SASの症状は、いびきや呼吸停止だけでなく、熟睡感の欠如や日中の強い眠気など、多岐にわたります。
  • SASは、放置すると高血圧、心臓病、脳卒中などの合併症を引き起こす可能性があるため、早期の診断と治療が重要です。
  • CPAP療法は、SASの治療に有効な方法ですが、慣れるまで時間がかかることがあります。

2.CPAP療法について

  • CPAP療法は、空気を送り込むことで気道を広げ、呼吸を補助する治療法です。
  • CPAPのマスクの装着は、慣れるまで時間がかかる人が多いです。
  • 寝る前の薬を飲んでからCPAPを装着するタイミングによって、睡眠の質が大きく変わる可能性があります。
  • CPAPに慣れるためには、自分に合った装着タイミングを見つけることが大切です。

3.その他

  • 運動習慣がある人でも、SASになる可能性があります。
  • SASの治療は、患者さん一人ひとりの状況に合わせて、適切な方法を選ぶことが重要です。
  • 医療機関で適切な診断と治療を受けることが大切です。

4.試行錯誤から得られる教訓

  • CPAPの装着タイミングは、睡眠の質に大きく影響を与える。
  • 自分に合った装着タイミングを見つけることで、より快適にCPAPを使用できるようになる。
  • 睡眠導入剤を服用する場合は、CPAPの装着タイミングとの関係性を考慮する必要がある。

5.まとめと今後の対策

  • 睡眠導入剤の種類や量を調整してみる: 睡眠導入剤の種類や量を変えることで、眠気の深さや持続時間を調整し、より適切なタイミングでCPAPを装着できるようになるかもしれません。
  • 他の睡眠補助グッズを試してみる: 耳栓やアイマスクなど、睡眠を補助するグッズを使うことで、より快適に睡眠をとれるようになるかもしれません。
  • 睡眠環境を整える: 寝室の温度や湿度、明るさなどを調整することで、睡眠の質を向上させることができます。
  • 医師や看護師に相談する: 自分に合ったCPAPの使用方法や、睡眠に関する悩みを医師や看護師に相談することで、より適切なアドバイスを得ることができます。

第21章:指定難病84サルコイドーシス

CPAPを装着して以来、日中の眠気は大幅に改善されました。しかし、調理師を目指していた頃、体が重く感じることが多くなり、少し動くと息切れするようになりました。体重を落としてウォーキングを試みましたが、以前のように体力があるわけではなく、まるで肺に病気を抱えているような状態でした。具体的には徒歩でも5分も体力が持ちません。この症状が、睡眠時無呼吸症候群、服薬の副作用、あるいはICUに入院した際の誤嚥性肺炎の後遺症なのか、とても心配でした。

そこで、睡眠外来の医師に相談し、胸部レントゲン検査を受けたところ、「念のため、〇〇検査センターでCT検査を受けてください」と紹介されました。CT検査の結果、「肺に陰影が見られ、癌またはサルコイドーシス3の可能性が高い」と告げられました。サルコイドーシスは、医療系の大学受験の際に基礎医学を学んでいた私にとっても、聞き慣れない病気でした。
「まさか、難病なのでは?」という不安が頭をよぎり、難病情報センターで調べてみたところ、サルコイドーシスは、原因不明で治療法も確立されていない指定難病4であることを知りました。

その後、睡眠外来の医師から専門の病院を紹介され、自宅から近い大学病院を受診することになりました。乗り物への恐怖心と闘いながら、病院へ向かう道中、さまざまな思いが頭を駆け巡りました。

「これからようやく自分の人生を歩めると思った矢先に、こんな病気になってしまうなんて。世の中はなんて不公平なんだろう。」そう自問自答しながら、2015年6月から大学病院に通院を開始しました。ここから、長い闘病生活が始まったのです。

通院当初から、検査は尽きることがありませんでした。検体検査(採血)、レントゲン撮影、CT検査、MRI検査、肺機能検査、心電図測定、心エコー検査、動脈採血…挙げればきりがないほどです。

実に数々の困難に直面しました。

まず、医師の説明が専門用語ばかりで、全く理解できませんでした。質問したいことがあっても、知識不足のため、何を聞けば良いのか分からなかったのです。

次に、検体検査の詳細票を見てみても、分からない項目ばかりでした。異常値が出た場合、それが何を意味しているのか、全く分かりませんでした。

さらに、サルコイドーシスの罹患率は10万人あたり約1.2人という非常にまれな病気でした。周囲に同じ病気の人がいなかったため、孤独感に打ちひしがれていました。

また、友人にもなかなか理解してもらえず、病気のことを話すことすら難しいと感じていました。

一人で抱え込みすぎて、もう限界だと思っていました。

医師からは、「肺の病気なので、立ち仕事はやめておいた方がいい」と告げられ、調理師になる夢を諦めざるを得ませんでした。知人の連絡先を消去し、病院と自宅を往復するだけの生活を送っていました。数か月間、何か打開策はないかと、毎日悩んでいました。

指定難病に罹ったことで学んだこと

1.病気と向き合うことの難しさ

  • 予期せぬ病気の発症: 睡眠時無呼吸症候群の治療中に、全く別の難病であるサルコイドーシスを発症したという、予想外の展開に直面した。
  • 情報不足による不安: 病気について詳しく知らず、専門用語や検査結果の意味が理解できないため、大きな不安を抱えた。
  • 孤独感: 周囲に同じ病気の人がおらず、孤立感を抱き、病気について話しづらい状況に置かれた。
  • 生活の変化: 病気によって、やりたいことや生活が大きく制限され、将来への不安を感じた。
  • 精神的な負担: 病気と闘うことによる心身への負担の大きさ、特に精神的な苦痛の大きさがわかる。

2.病気と闘う上で大切なこと

  • 情報収集: 病気について積極的に情報を集め、医師に質問することで、不安を軽減できる可能性がある。
  • 周囲への相談: 家族や友人、サポートグループなどに相談することで、孤独感を解消し、心の支えを得られる。
  • 専門家のサポート: 医師や医療従事者からの適切なアドバイスを受けることで、治療に役立つ。
  • 自己肯定感: 病気によってやりたいことが制限されても、自分の価値を認め、前向きに生きようとする姿勢が大切。

3.まとめ

  • 健康の大切さ: 健康であることのありがたさを改めて認識し、日頃から健康に気を配る。
  • 病気は誰にでも起こりうる: 自分にも起こりうる可能性があることを意識し、定期的な健康診断を受けるなど、備えをしておく。
  • 病気になった時にどうするか: 病気になった場合、一人で抱え込まず、周囲に助けを求めたり、専門家のアドバイスを受けたりすることが大切。
  • 生きる意味を見つける: 病気によって生活が大きく変わっても、生きる意味を見つけることが、回復の原動力になる。

to be continued

脚注

  1. 睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が何度も止まってしまう病気です。医学的には、10秒以上息が止まる状態を無呼吸といい、平均して1時間に5回以上、睡眠中に無呼吸が見られる場合はこの疾患と診断されます。

    睡眠時無呼吸症候群の原因と種類
    主な原因として、以下のものが挙げられます。
    上気道の狭窄: いびきをかく人によく見られ、鼻やのどが狭まっていることで呼吸が妨げられます。
    脳の呼吸中枢の異常: 呼吸をコントロールする脳の機能に問題がある場合です。

    種類としては、大きく以下の3つに分けられます。
    閉塞型: 上気道の狭窄が主な原因で、最も一般的なタイプです。
    中枢型: 脳の呼吸中枢の異常が原因です。
    混合型: 閉塞型と中枢型の両方の要素が組み合わさったタイプです。

    睡眠時無呼吸症候群の症状
    いびき: 大きな音が特徴的で、周囲の人から指摘されることが多いです。
    日中の強い眠気: 十分な睡眠時間を取っているはずなのに、日中に強い眠気に襲われます。
    集中力の低下: 仕事や勉強に集中できず、ミスが増えることがあります。
    頭痛: 朝起きたときに頭痛がする、という症状もみられます。
    高血圧: 睡眠中の酸素不足が原因で、高血圧になるリスクが高まります。
    心疾患: 心臓に負担がかかり、心不全や不整脈などのリスクも高まります。
    脳卒中: 脳への血流が低下し、脳卒中を起こすリスクも高まります。

    睡眠時無呼吸症候群の診断
    睡眠時無呼吸症候群かどうかを診断するためには、睡眠ポリグラフ検査という検査を行います。この検査では、脳波、心電図、呼吸、酸素飽和度などを測定し、睡眠中の呼吸の状態を詳しく調べます。
    ↩︎
  2. CPAP(持続陽圧呼吸)療法: 鼻や口にマスクをつけ、空気を送り込むことで気道を広げ、呼吸を補助する治療法です。最も一般的な治療法です。 ↩︎
  3. サルコイドーシスは、肺や眼、リンパ節など、体の様々な臓器に小さな腫れ物(肉芽腫)ができる病気です。原因は完全には解明されていませんが、免疫の異常が関わっていると考えられています。指定難病84。

    サルコイドーシスの特徴
    原因不明: なぜ肉芽腫ができるのか、その詳しいメカニズムは分かっていません。
    多様な症状: どの臓器に肉芽腫ができるかによって、症状は人によって大きく異なります。
    自然治癒: 多くの場合は、特に治療をしなくても症状が軽くなったり、消えてしまったりします。
    再発の可能性: 治癒したと思っても、数年後に再発することがあります。

    サルコイドーシスは、体の様々な臓器に発生する可能性があります。
    肺: 最もよくみられる臓器です。咳、息切れ、胸痛などの症状が現れることがあります。
    眼: 目のかすみ、充血、痛みなどの症状が現れることがあります。
    リンパ節: 首や脇の下のリンパ節が腫れることがあります。
    皮膚: 発疹や赤い斑点ができることがあります。
    心臓: 心臓に肉芽腫ができると、不整脈や心不全を起こすことがあります。
    神経系: 神経に肉芽腫ができると、痺れや麻痺、筋肉の衰えなどの症状が現れることがあります。
    サルコイドーシスの症状
    サルコイドーシスの症状は、肉芽腫ができる場所や数、大きさによって様々です。
    肺: 咳、息切れ、胸痛
    眼: 目のかすみ、充血、痛み
    皮膚: 発疹、赤い斑点
    関節: 関節痛、腫れ
    発熱: 微熱が続く
    倦怠感: 体がだるい
    体重減少
    ↩︎
  4. 指定難病は、原因がはっきりせず、治療法が確立していない、いわゆる難病のうち、厚生労働大臣が指定した病気のことです。これらの病気は、患者さんの生活を大きく制限し、高額な医療費がかかることが多いことから、医療費の負担を軽減するために国が支援を行っています。

    すべての難病が指定難病になるわけではありません。指定されるためには、以下の厳しい条件を満たす必要があります。
    原因が不明であること
    治療法が確立していないこと
    患者数が少ない(希少な病気であること)
    長期の療養が必要であること
    客観的な診断基準が確立していること
    これらの条件を満たす病気は、治療が困難で、患者さんの生活に大きな負担がかかります。そのため、国はこれらの患者さんを支援するために、指定難病制度を設けています。 ↩︎

注意: この情報は一般的な情報であり、個々の症状や状況によって異なります。治療や診断については、必ず医師にご相談ください。この情報は著者の経験及びAIが提供する情報はあくまで参考であり、医療に関する最終的な判断は専門家にお任せください。
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