Life is survival〜人生はサバイバル〜

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第9章:家庭崩壊の序曲

会社のホームページは完成したものの、社長の要求は過剰で、どれも無料で対応するには無理難題ばかりでした。「会社名で検索した時にトップページに表示されるように」「エコキュートと入力した時にトップページに…」など、SEO対策はホームページ完成後も継続的に行う必要がありますが、社長には暇を持て余しているように見えたようで、現場の雑務や社長の父親の仕事の手伝いに頻繁に駆り出されるようになりました。ホームページの作成と管理には、結果が出るまで時間がかかることを全く理解してもらえず、無知であることの弊害を痛感しました。薄給でこき使われることに嫌気がさし、退職届を提出して会社を去りました。

退職直前、実家で父が3年間も家賃を滞納していたことが発覚しました。毎月10万円以上生活費を渡していたにもかかわらずです。途方に暮れましたが、仕方なく消費者金融を回り、何とか滞納分の家賃を工面しました。しかし、日雇い派遣の収入では返済できる額ではなく、結果として自己破産を選択せざるを得ませんでした。他に道はなかったのです。

その後、実家に戻ったものの、心身は疲弊しきっており、毎日朝から晩まで寝て過ごす日々でした。そんなある日、「早く働け!穀潰し!お前が母さんの代わりに…」という父の怒号をきっかけに、生まれて初めて激昂し、家中の家財や電化製品を破壊してしまいました。そして、父や弟と激しい喧嘩の末、勘当され、家庭は崩壊しました。

その時、悲しみよりもむしろ、自身の情けなさが身に染みました。中学生の頃から働き続け、自分の夢を諦めて生活を支えてきたのに、「自分はいったい何のために生まれてきたのだろう?」という疑問が、心の底から湧き上がってきました。本来、親とは無条件で子を愛するものではないだろうか?

第10章:職を転々として彷徨う

考えようによっては、これからは毎月生活費を入れる必要が無くなったという事に気付きました。家を出てからは、変わらず日雇い派遣で働き、夜はネットカフェで寝泊まりする、いわゆるネットカフェ難民となりました。まだネットカフェ難民という言葉が生まれる前の事です。しかし精神薬を服用しながらのブルーカラー1は想像以上にきつく辛い物でした。

自慢だった筋肉も体力も衰え、以前は人の行動の先まで読めていたのに、頭はぼうっとしたままだった。父親の怒号から解放されたと思いきや、今度は職人からの怒号。実家を勘当された時の激昂で感じた、抑えきれない衝動が再び胸の内にあった。格闘技経験から、二度と人に手を上げないと決めていた。心療内科に通いながら、日中は建築現場でわずかな賃金を得て働き、夜は居酒屋で酒を飲み、ネットカフェで寝るという、今思えば無茶苦茶な生活を送っていた。PCの仕事はないかと応募してみたが、面接に行くと出会い系サイトのサクラばかりだった。

こうして波乱の日々を送るうち、ついに何もかもどうでもよくなり、疲れ果ててしまった。仕事にも行けず、金銭も底をつき、心療内科にも行けなくなった。体調が悪化の一途をたどるのは明らかだった。この時、まだ生活保護2という制度を知らなかった。正確には、自己破産の際に弁護士から生活保護を勧められたが、父親に話したところ激怒されたのだ。思えばそこがいくつかある分岐点の一つであったと思う。

脚注

  1. ブルーカラーとは、主に製造業や建設業などの生産現場で、直接的な作業に従事する労働者を指す言葉です。
    語源と背景
    英語の「blue collar」に由来し、直訳すると「青い襟」となります。
    かつて、これらの現場で働く労働者が青い襟の作業着を着用していたことから、この名称が生まれました。
    1920年代のアメリカで、労働者と監督者を区別するために異なる色のシャツを着用し始めたのが起源と言われています。
    仕事内容
    工場作業員
    建設作業員
    土木作業員
    電気工事士
    機械整備士
    溶接工
    その他、運輸業やインフラ関連の仕事
    ↩︎
  2. 生活保護制度とは、日本国憲法第25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」に基づき、経済的に困窮している国民に対して、国が最低限度の生活を保障する制度です。

    日本国憲法第25条は、国民の生存権を保障する条文であり、以下の2つの項目から構成されています。

    第25条の内容

    第1項:生存権の保障 「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と規定されています。これは、すべての国民が人間らしい生活を送る権利を持つことを意味します。

    第2項:国の社会的義務 「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と規定されています。これは、国が国民の生存権を保障するために、社会福祉や社会保障などの政策を実施する義務を負うことを意味します。

    第25条の意義
    第25条は、国民の生存権を保障する重要な条文であり、生活保護制度などの社会保障制度の根拠となっています。
    この条文は、国が国民の生活を保障する責任を負うことを明確にし、国民が安心して生活できる社会の実現を目指すものです。

    第25条に関連する事項
    生存権 人間が人間らしく生きるために必要な権利であり、生命、健康、文化的な生活などを保障するものです。
    社会福祉 高齢者、障害者、児童など、社会的に弱い立場にある人々を支援する制度や活動です。
    社会保障 年金、医療保険、雇用保険など、国民の生活を保障するための制度です。
    公衆衛生 感染症対策、環境衛生など、国民の健康を守るための活動です。

    第25条は、日本国憲法の基本的人権の一つとして、国民の生活を支える重要な役割を果たしています。 ↩︎

AI bot Gemini より

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