物価高の時代を生き抜く処世術 vol.2 ― ホンモノとニセモノを見極める力

AIについての持論
最近はAI関連のアプリやサービスが急速に充実してきました。今や猫も杓子もAIを使う時代。技術の進歩は目覚ましく、新しい技術に触れること自体はとても楽しいものです。
しかし、その一方で私にはいくつか危惧している点があります。
まず一つ目は、AIによって生成された画像の著作権の扱いが非常に曖昧であるということです。この問題については、いずれ法整備が進むと予想していますが、そうでなければ無法地帯と化す恐れがあります。実際、一部の界隈ではすでに原作の画像を無断使用した無法状態が広がっています。
次に、生成された画像や動画が悪用され始めているという点です。たとえば、有名人の顔を無断で使った詐欺広告や偽の商品の宣伝などが見受けられます。これらは今後、闇バイトなどの犯罪に利用されるのも時間の問題だと思われます。
さらに大切なのは、AIはあくまでも「ツール」であって、「思考の代行者」ではないということです。AIに頼りすぎて、自分で考えることを怠ってしまえば、本来持っている発想力や直感的なひらめきが次第に失われてしまうのではないかと懸念しています。
加えて、AIは誤ることもあるという前提も忘れてはなりません。特に医療や専門分野に関する内容では、まだまだ誤りが多い印象があります。一般的な質問への対応には長けていても、フィードバックが十分に反映されない限り、同じ誤りを繰り返す可能性があるのです。
それでもAIは、やはり非常に便利なツールであり、私自身も多くの恩恵を感じています。サービスごとに個性や特徴がある点も、非常に興味深いと感じます。
※この記事はAI bot ChatGPTの情報と筆者の体験に基づいています。

フェイク画像の見分け方
前置きがやや長くなってしましました。今回は本題として書きたい事は有名人のフェイク画像を使用した宣伝に騙されない為の方法です。
🔍 フェイク画像・動画の見破り方
1. 不自然なディテールに注目する
AI生成の特徴的なミスは以下の通りです:
- 手・指が不自然:指の数が多い/少ない、指の形が奇妙など⇒画像を拡大してみると分かりやすいです
- 左右非対称な顔や背景:イヤリングが片方しかない、背景がゆがんでいるなど⇒シンメトリー(左右対称)ではない
- 異常な文字:背景の看板や本のタイトルなどの文字が崩れている⇒有名人の国の文字が使われているor文字が読み辛く崩れている
2. 逆画像検索を使う
Google 画像検索や TinEye で画像をアップロードして、出典を確認することで、加工されたり盗用された画像かが分かります。
この方法はSNSでよく使われている手法です。
3. 動画の音声や口の動きに注目する
Deepfakeでは、声の抑揚が単調だったり、口の動きと音声が完全に一致しないことがよくあります。
4. 過度に感情をあおる内容に注意
「今すぐ」「○○が泣いています」「信じられない!」など感情を強く揺さぶる内容は警戒すべきです。これは人間の判断力を鈍らせるための常套手段です。
感情に訴えかけるのは心理学に基づいています。
5. 公式ソースとの照合
ニュースや有名人の発言を引用している場合は、公式サイトやSNSで実際にその発言があるかを確認しましょう。
ソース(情報源)が無い情報はまず偽物と言って差し支えありません。
🧠 なぜ引っかかってしまうのか? ― 心理学的背景
これは完全に心理学と関係しています。代表的な要因は以下の通りです。
1. ヒューリスティックス(直感的判断)
- 複雑な状況で人は「見た目」や「感情」に頼って即断します。
- AI画像がリアルであればあるほど、「本物っぽさ」に騙されやすくなります。
2. 認知バイアス
- 確証バイアス:信じたい情報を信じてしまう(例:嫌いな政治家のスキャンダルを信じやすい)
- 権威バイアス:有名人や著名人が出てくると、内容の信憑性が高く感じられる
3. 感情的喚起と判断力の低下
- 恐怖、怒り、同情などの感情を強く刺激されると、論理的思考が働かなくなり、判断を誤ります。
4. 社会的証明(バンドワゴン効果)
- 「何万回再生された」「コメント多数」などがあると「みんな信じてるから」と思い込んでしまいます。
✅ 対策まとめ
行動 | 意味・理由 |
---|---|
感情的に反応しない | 怒りや興奮を感じたら、一歩引いて冷静に |
出典を確認する | 画像・動画の元情報があるか、信頼できるか |
フェイクの特徴を学ぶ | AI生成のミスを把握しておく(特に手や文字、背景) |
SNSを鵜呑みにしない | 誰でも投稿できる環境ではフェイクの拡散も早い |
🧪 実例で学ぶ:AIフェイク画像の特徴と検証方法
🎯 例1:フェイク有名人画像(AI生成)
内容例:
「○○さん(俳優・政治家など)が貧困層に寄付したときの秘蔵写真です」
→ 感動を誘って寄付や怪しいリンクをクリックさせる
見破るポイント:
- 手の形や背景のぼやけを確認(AI画像はここが苦手)
- 衣服の文字が読めない(AIは文字の再現が不正確)
- 画像検索ツールで出典を調査
✅ 使えるツール:Google画像検索
手順:
- Google画像検索 にアクセス
- カメラマークをクリック → 画像をアップロード or URLを貼る
- 類似画像・出典が表示される(過去に使われた場合も)
🎯 例2:偽のインタビュー動画(Deepfake + AI音声)
内容例:
「○○首相がTVでとんでもない発言をした」
→ 切り抜き・捏造で政治的操作や陰謀論の拡散を狙う
見破るポイント:
- 口の動きと声が合っていない
- 瞬きの頻度が不自然(AIが表情制御をうまく処理できていないことが多い)
- 公式動画やニュースと照合
✅ 使えるツール:InVID(動画検証)
手順:
- InVID Verification Plugin(Chrome拡張) をブラウザにインストール
- 動画のURLを入力し、「Keyframes」などでフレームごとの検証が可能
- フレーム画像で逆画像検索もできる
🛠 他にも使える便利ツール
ツール名 | 概要 | URL |
---|---|---|
TinEye | 高精度な逆画像検索 | https://tineye.com |
FotoForensics | 写真の改ざん・編集の痕跡を解析 | https://fotoforensics.com |
Deepware Scanner | DeepfakeかどうかをAIで判定(動画) | https://www.deepware.ai |
👁️ 練習してみるのがおすすめ
もし練習用に「この画像フェイクかな?」と思うものがあれば、画像を送っていただければ一緒に分析できます。
また、無料のAI画像生成サービス(例:Craiyon、Bing Image Creatorなど)で画像を自作してみると、AI画像の特徴もつかみやすくなります。
🔍 フェイクを見抜く練習問題【全5問】
第1問:画像編
【問題】
あるSNSで「NASAが発表した火星の巨大な木の写真」とされる画像が話題になっています。これがフェイクである可能性が高い理由として、もっとも適切なものはどれでしょう?
A. NASAの公式サイトに画像が掲載されていない
B. 木の形が不自然で左右対称すぎる
C. 火星には大気がほとんどなく植物は生息できない
D. 写真の色調がポップで鮮やかすぎる
第2問:広告編
【問題】
SNSで「有名女優がついに暴露!このサプリで10キロ減量!」という広告が表示されました。信ぴょう性を疑うべき理由としてもっとも適切なものはどれ?
A. 広告に出ている画像が明らかに合成っぽい
B. 女優の公式SNSやニュースでその発言が確認できない
C. 商品名や販売元の情報が明記されていない
D. 「医師も絶賛」と書かれているが、医師名がない
第3問:動画編(ディープフェイク)
【問題】
人気政治家が「戦争を始める準備がある」と発言している動画がSNSで拡散されました。ただし、声のトーンがやや不自然で、口の動きと音声が微妙にずれているように見えます。
このとき、あなたがまず行うべき対応として最も適切なものは?
A. 動画の出処(投稿者・出典)を確認する
B. 自分のフォロワーに即拡散して警告する
C. コメント欄で「事実です」と書き込む
D. 政治家の過去の発言と比べて信ぴょう性を判断する
第4問:文章編(AI生成の偽記事)
【問題】
「〇〇大学が発表した研究で、1日コーヒー3杯が寿命を10年延ばすと判明!」という記事が話題に。
この記事の信憑性を判断するために最も効果的な行動は?
A. SNSでの「いいね」の数を確認する
B. 〇〇大学の公式サイトや論文を検索する
C. 過去に似た話題があったか思い出す
D. 記事の筆者の肩書を確認する
第5問:心理学編(騙されやすさ)
【問題】
「たった3日で〇〇になる!」「今すぐクリック!」「9割の人が効果を実感」などのフレーズがよく使われる理由は?
A. 広告主の誇張癖
B. 心理学的に“行動を起こさせやすい言葉”だから
C. SEO対策のため
D. 他に言葉のバリエーションがないから
😎回答編🤔
第1問:画像編
✅ 正解:C
【解説】
火星には大気や水がほとんどないため、木が生えているというのは物理的に不可能です。AやBもヒントにはなりますが、「科学的に矛盾している」ことが最も重要な見分け方になります。
第2問:広告編
✅ 正解:B
【解説】
「本人の公式発言かどうか」は、最も客観的に検証できるポイントです。Dも怪しい要素ですが、まずは一次情報の確認が最優先です。
第3問:動画編(ディープフェイク)
✅ 正解:A
【解説】
「動画の出処を調べる(信頼できるソースか)」はファクトチェックの基本。
SNSで拡散される動画は、加工されたディープフェイクの可能性があるため、出所が不明なら安易な拡散は危険です。
第4問:文章編(AI生成の偽記事)
✅ 正解:B
【解説】
情報の一次ソース(大学や論文)に当たることが、もっとも確実な確認方法です。SNSの反応や筆者の肩書だけでは判断できません。
第5問:心理学編(騙されやすさ)
✅ 正解:B
【解説】
これらの言葉は、人間の“損失回避”や“即効性への欲求”を刺激する心理効果を利用しています。広告や詐欺はこうした心理テクニックを巧みに使ってきます。
さて今回は、最近急増しているAIによるフェイク画像や動画の悪用例について書いてみました。
YouTubeでも、こうした宣伝を目にすることがあります。
新しい技術がこのように悪用されると、技術そのものの信頼性や発展を妨げる恐れがあるため、少しでも注意喚起になればと思い、この記事を書きました。
因みにサムネ画像の左がフェイク画像(AIで生成)で右はホンモノです😏
次回は、各AIサービスについて、それぞれのメリットとデメリットを整理してご紹介する予定です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。