物価高の時代を生き抜く処世術 vol.3 様々なAIサービス

財布の救世主!? AIサービス大解剖
さて、昨今ではさまざまなAIサービスが登場しています。よく使われているのは、画像生成や文章の作成といった用途ですが、実は生活や家計の見直しといった身近な場面でも、AIはとても役立つツールです。今回は、そうした具体的な活用例をご紹介します。
私が普段よく活用しているのは、SNSでのAI画像生成や、自身が書いている闘病ブログの誤字脱字の修正、タイトル案の提案、さらには料理のレシピや手順、在庫の調味料を使ったタレの分量の調整、予算内で作れるメニューの提案などです。
今回は私自身の勉強も兼ねて、AIの活用術についてまとめてみました。最後までお読みいただければ幸いです。
🍳 生活全般の時短・効率化

1. 献立&レシピ提案
- 冷蔵庫の在庫を伝えると「残りもので3品作る献立」を提案可能。
- 栄養バランスやダイエット対応のレシピもOK。
- 応用として例えば糖尿病や高血圧気味な方へ向けた「減塩メニュー」「糖質制限のメニュー」のレシピも教えてくれます。
- 他にも「○○円の予算でのメニュー」も教えてくれます。
2. 日用品の買い忘れ防止&リスト作成
- ChatGPTに「今週必要な日用品リストを作って」と頼む。
- 生活スタイルに合わせた買い物リストを生成可能。
3. 家庭内の予定・タスク管理
- Googleカレンダー×AIアシスタントで「今週のスケジュールを整理して」なども可能。
- 「家事の分担表を自動で作って」などの要望にも対応。
🧾 家計・節約に役立つAI活用法
4. 予算管理・支出分析
- アプリ例:Money Forward, Zaim など
- レシートを撮影するだけで、支出項目を自動分類。
- 「今月は外食費が多い」「電気代が前年より高い」などの分析も。
5. 買い物の最適化
- ChatGPTなどで活用:「500円以内で1週間分のお弁当おかずを考えて」など。
- セール情報や底値情報を教えてくれるアプリ(例:トクバイ)。
6. 節電・節水アドバイス
- スマート家電+AIアプリが電力使用を分析し、節約プランを提案。
- 電力会社のアプリでもAI分析が導入され始めています。
7. 家計簿から「無駄」を見える化
- ChatGPTに支出記録を貼って、「どこが削れる?」「節約のアドバイスちょうだい」と聞けば、AIが分析して提案してくれます。
便利な反面デメリットも
AIに限らず「全ての物事には必ずメリット・デメリットが存在します1」。これは様々な分野で語られています。
興味がある方は注釈に記載しているのでそちらをご覧ください。

✅ AIツールのメリット
1. 効率化と時短
- 作業の自動化により、反復作業や単純作業の時間を大幅に削減。
- 文章作成、画像生成、表計算、データ分析など幅広く活用可能。
2. コスト削減
- 人件費の削減や外注コストの抑制に繋がる。
- 無料または低価格のAIツールも多く、導入コストも低い。
3. クオリティの安定化
- 決まったルールやデータに基づく処理で、ミスが少ない。
- データ処理や判断の一貫性がある。
4. 24時間稼働
- 人間と違って休憩不要。深夜や休日でも対応可能(例:チャットボット、監視システム)。
5. 創造性の補助
- ライティング、デザイン、作曲などのクリエイティブ領域でアイデアを出す支援もできる。
- 人間の発想を広げるツールとして有用。
⚠️ AIツールのデメリット
1. 情報の信頼性に限界
- 間違った情報をそれらしく提示することがある(例:ハルシネーション)。
- 情報の真偽を人間が確認する必要がある。
2. 使い方次第で偏りや差別が生まれる
- 学習データに含まれる偏見を反映してしまう場合がある。
- 差別的・不公正な判断が行われるリスク。
3. 個人情報・機密情報の漏洩リスク
- AIに入力した情報が外部に流出する危険性がある(特に無料ツールやクラウド型)。
- セキュリティの観点で慎重な運用が必要。
4. スキルの低下や依存
- AIに頼りすぎると、自分で考える力やスキルが低下する可能性がある。
- 特に学生や学習者には「自力で考える」習慣が失われる懸念も。
5. 導入・運用に知識が必要な場合も
- 効果的に使いこなすには、ある程度のITリテラシーや英語力が必要な場合も。
📝 総評
AIツールは「使いこなす側のリテラシー」によって、大きな力にもなればリスクにもなります。
正しく使えば、生活やビジネスの質を大きく向上させることが可能です。
各分野でのメリット・デメリット

🏥【医療・ヘルスケア分野】
✅ メリット
- 診断支援:画像診断(CT/MRIなど)や問診内容から病気の可能性を高精度で提示。
- 業務効率化:カルテ入力や予約管理などの自動化。
- 遠隔医療:地方や過疎地でも質の高い診療が可能。
⚠️ デメリット
- 責任の所在が不明確:AIの診断ミスの責任は誰が取るのか曖昧。
- 学習データの偏り:一部の人種・年齢層に偏ると診断精度に差が出る。
- プライバシー問題:医療情報の扱いに慎重さが求められる。
📚【教育分野】
✅ メリット
- 個別最適化学習:生徒のレベルや理解度に応じて教材や進度を自動調整。
- 24時間学習支援:AIチューターや添削ツールにより、いつでも学べる。
- 先生の負担軽減:採点や資料作成などの業務を補助。
⚠️ デメリット
- 学びの質の低下:AIに頼りすぎて「考える力」が育ちにくくなる。
- 格差拡大:AI教育を受けられる環境が家庭によって異なる。
- 教師との関係性の希薄化:人間的なフィードバックが得られにくい。
💼【ビジネス・事務分野】
✅ メリット
- 自動化と効率化:定型業務(経理・請求・報告書など)を大幅に短縮。
- データ分析:売上予測、在庫管理、顧客分析に強力。
- 24時間対応チャットボット:顧客対応を無人化可能。
⚠️ デメリット
- 職業の自動化による失職リスク:特に事務・カスタマーサポート系。
- 初期導入のコストと教育:ツール導入や社員教育が必要。
- 誤った意思決定の危険性:不完全なデータでも結果を出してしまう。
🎨【クリエイティブ分野(文章・音楽・デザインなど)】
✅ メリット
- 発想補助・アイデア出し:プロンプト1つで画像や音楽を生成可能。
- 時間とコスト削減:広告用画像、仮歌、文章などの試作を短時間で作れる。
- ノンデザイナーでも制作可能:誰でも一定レベルの成果物を出せる。
⚠️ デメリット
- 著作権の曖昧さ:AI生成物の権利関係が未整備(商用利用に注意)。
- 創造性の均質化:オリジナリティが低くなりがち。
- クリエイターの価値低下懸念:AIが作ると人の作品と区別しづらい。
🛒【生活・家計管理分野】
✅ メリット
- 支出の見える化:家計簿アプリ+AI分析で節約ポイントを提案。
- 買い物サポート:献立提案、安いスーパーの検索など。
- 健康・栄養管理:食事記録や栄養バランスの提案。
⚠️ デメリット
- プライバシー懸念:生活データの収集が必要。
- 使いこなすにはリテラシーが必要:高齢者や非IT層にはハードルがある。
- 依存による判断力の低下:自分で考えない習慣がつくリスク。
👮【防犯・監視・セキュリティ分野】
✅ メリット
- 顔認証や不審者検出:監視カメラ映像を自動分析。
- サイバーセキュリティ:脅威の兆候をリアルタイム検出。
- 事故予測・予防:運転支援システムなどに応用。
⚠️ デメリット
- 監視社会化の懸念:プライバシーとのバランスが問われる。
- 誤検知のリスク:AIが誤った人物を検出する可能性。
- 差別的運用の危険性:特定の人種や性別に偏る可能性がある。
🔚 まとめ
分野 | 主なメリット | 主なデメリット |
---|---|---|
医療 | 診断支援・効率化・遠隔医療 | 責任不明・偏り・プライバシー |
教育 | 個別最適化・24h学習・先生の補助 | 思考力低下・格差・関係希薄 |
ビジネス | 自動化・分析力・カスタマー対応 | 失職リスク・導入コスト・誤判断 |
クリエイティブ | 発想補助・低コスト・誰でも制作可能 | 著作権問題・均質化・価値低下 |
家計・生活 | 節約支援・買い物補助・健康管理 | プライバシー・習得コスト・依存リスク |
防犯・監視 | 認証・分析・事故予測 | 監視過剰・誤認識・差別リスク |
総括:AIに使われるのではなく人がAIというツールを使うスタンス
さて、今回はさまざまな分野におけるAIの活用法と、AIを使用する上でのメリット・デメリットについてまとめてみました。
私が特に危惧しているのは、以下のような点です:
「自分で考える力の低下」
「AI生成物に関する権利の未整備」
「専門分野、特に医療分野において情報の正確性や責任の所在があいまいなことがある」
「フェイク(偽物)の画像や動画が悪用される可能性がある」
このように、AIには多くのリスクが伴いますが、今後は法的な整備がある程度進むと考えています。
AIの精度は学習によって徐々に向上していると思いますが、それでも誤った情報を出したり、言語表現が不自然になったりすることがあります。
したがって、現時点での私のスタンスとしては、AIはあくまでも「ツール」として利用し、最終的な確認は人間自身が行うことが不可欠だと考えています。
ユーザー側としても、最低限のマナーやルールを守ることの重要性を感じています。
今回はこのあたりで終わりにします。
次回は、私がSNSや闘病ブログでよく使用している画像生成やプロンプトについて書いてみようと思います。
脚注
- ✅ 専門的・哲学的な用語や概念
1. トレードオフ(Trade-off)
意味:何かを得れば、別の何かを失うという関係性。
例:「効率を上げれば、人間味が減る」「自由を増やせば責任も増す」
分野:経済学・経営学・政治哲学・システム設計など幅広く使われます。
⚖️「すべての選択には代償がある」という考え方です。
2. 功罪(こうざい)
意味:「功=良い点」「罪=悪い点」からなる日本語の熟語。
用法:「AIの功罪を見極めるべきだ」など。
ニュアンス:特に社会的・倫理的影響を論じる場面で使われます。
📚日本語における「メリット・デメリット」の硬い表現とも言えます。
3. 二項対立(Binary opposition)
意味:ある概念はしばしば対立的な構造(良い/悪い、有用/有害など)で理解されるという構造主義の考え方。
出典:レヴィ=ストロースなどの構造主義哲学。
関連:どちらか一方だけでなく、常に対として存在するという見方。
4. 陰陽(いんよう)/陰陽思想(Yin and Yang)
意味:古代中国の思想で、全ての物事には相反する二つの側面(陰と陽)があり、それが調和して存在するという考え。
例:善の中にも悪があり、悪の中にも善がある。
現代応用:バランス思考や東洋的な中庸思想。
☯️「全てのものに光と影がある」という思想的ルーツです。
5. 中庸(ちゅうよう)/アリストテレスの中庸の徳
意味:極端な善悪に偏らず、中間の徳(バランス)を取ることが望ましいという倫理思想。
出典:アリストテレス『ニコマコス倫理学』
例:勇気は「臆病」と「無謀」の中間にある。
🌟補足:現代的な言い回し
「両刃の剣(りょうばのけん)」:良くも悪くも作用する道具や考え
「副作用」:ある効果とともに、望ましくない影響が生じること
「バランスが大事」:実生活で最もよく使われる表現 ↩︎