ピコピコガッコン日記 ~なつかしい平成ドリンクの思い出~ 第一回:小学生編「ダイドーはちみつれもん」

ピコピコガッコン日記 ~なつかしい平成ドリンクの思い出~

この記事は、クレボに通う利用者が、懐かしいドリンクとそれにまつわる思い出を綴る備忘録です。

目次

好きなものを見つける旅

お医者さんに「入院しましょう」と言われるがまま、病院のベッドに横たわると、ふと、自分には退院してからやりたいことも、食べたいものもないことに気がつきました。

たぶん、私にも好きなものはあったはずです。

しかし、最後にそんなことを心から感じられたのは、もしかすると大人になる前だったかもしれません。

ですから、これからする話は「つまらない」と言えばそれまでだけれど、私にとって日々を生きるのに大切なものを思い出す作業となるでしょう。あなたのひと時の暇つぶしになれば幸いです。

この記事では、小学生編、中学生編、高校生編と順を追って、思い出のドリンクを紹介していきます。

好きな食べ物というと、大げさに思えて気疲れしてしまうような日には、好きなドリンクについて気軽に考えてみるのはいかがでしょうか。

調子はずれな子

思い返してみれば、なにかと調子はずれなところのある子どもでした。
なにをさせても間が悪く、夕方から雨という日にかぎって、どうしても新調したスニーカーを履きたいと言い出すようなところがありました。

しかし、偶然にも母が私より調子はずれだったために、とくに問題視されることもなく、おおむね機嫌よく、小学校生活を過ごすことができました。

風邪をひいた日の高揚感

ある朝、起きたら風邪をひいていました。たしか遠足とか、校外学習とか、そういう日だったと思います。

母は私に学校を休むように言い、仕事へ出かけていきました。
ダイニングテーブルには、昼食用の500円玉が置かれています。

私は熱があるにもかかわらず、ちっとも安静にしておらず、むしろ500円玉に高揚感を覚えていました。500円あれば色々なものが買えるからです。

昼食は台所にあるバターロール(たしかレーズンが入っていました)を食べれば間に合いますし、夕方までは、母も、先生も、クラスメイトも、この街にはいません。

私は、少し熱が下がるとすっかり気をよくして、住んでいた団地から、商店街の本屋さんへと出かけていきました。

痛恨のミスとフォロー

当時は、漫画の単行本が410円で買えたので、お小遣いやお釣りで買いそろえていた「ドラゴンボールZ」の最新巻を買うつもりでした。

しかし、そこは調子はずれですから、発売日を間違えるというミスをして、まだ本屋さんに並んでいないことがわかると、しぶしぶ、文房具コーナーにあった良いにおいの消しゴム(持ち手部分にローラーがついていて、消しカスをまとめられるタイプ)で妥協することにしました。

そもそも、昼食用に渡された500円だし、発売日を間違えたのも自分なのですが、なんだか腑に落ちない、不完全燃焼な気持ちを抱えたまま、買った消しゴムをポケットに入れて家路につきました。

このままでは、どうにも気が済みそうもありません。

そこで、団地のエレベーターホールから程近い、ダイドーの自動販売機で缶ジュースを買ってから帰ることにしました。
ずいぶん長い時間悩んで、ついに「ダイドーはちみつれもん」を買うことに決めました。

風邪というのは夕方に悪化します。
ろくに食事もせずほっつき歩いていたので、熱が上がってしまい、冷たくて甘酸っぱいものが飲みたくなったのかもしれません。

ダイドーはちみつれもんとは?

「はちみつ」と「レモン」のドリンクといえば、80年代に「サントリーはちみつレモン」が先に発売されましたが、「ダイドーはちみつれもん」もほぼ同時期に発売されました。両商品とも復刻を繰り返し、昭和の終わりから現在まで愛され続けています。

どちらもパッケージが可愛らしく、現代の若者もレトロなデザインとして気に入るかもしれません。特に「ダイドーはちみつれもん」のキャラクターは、表情が少し奇妙な感じもあり、横に倒したり、逆さにしたりして楽しむのがおススメです。

復刻版との再開

先日、クレボからの帰り道にある自動販売機で、復刻版「ダイドーはちみつれもん」を見つけました。

さっそく自動販売機のボタンを押して、飲んでみました。

思い出よりシンプルな味で、あまり果汁感や苦味はありません。
味覚が大人になってしまったので、そう感じたのかもしれません。

はちみつ!レモン!以上!といわんばかりのサッパリとした清涼感を楽しむことができました。

あの日、帰宅した母から叱られたかどうかは覚えていませんが、おそらく、お小遣いを減らすとか、きちんと制裁は受けたに違いありません。当時の自分に反省をうながしたい気分になりました。

※良いにおいの消しゴムは、しばらく筆箱に入れていましたが、こすると紙が黒くなり、少しも字は消えませんでした。

中学生編』につづく

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