Life on a long and winding road.「長く曲がりくねった道の上の人生」vol.4
⑦自律神経失調症
激務の中、毎日疲労が蓄積し、栄養ドリンクが手放せませんでした。仕事終わりは必ずと言っていいほど飲み会があり、休日も仕事のことで頭がいっぱい。仕事と私生活の境界線が曖昧になり、常に仕事モードでした。
そんなある日、祖父の訃報を受け、家族で実家に向かう途中、父がけいれんを起こし救急搬送されました。私は救急車の中で息苦しさを感じ、動揺を隠せませんでした。医師からは「疲労と糖尿病による低血糖でのけいれん1」と診断されました。会社に連絡し、有給を延長。地元の区役所に相談し、保険証がない父親の医療費の問題も何とか解決しました。祖父の葬儀では喪主を務め、その後、退院した父と弟と合流。一人、寮に戻りました。
しかし、その後、動悸、息切れ、吐き気が頻繁に起こるようになり、特に人混みで症状が悪化しました。二日酔いではないかと最初は思っていましたが、症状はますます悪化し、外出することすら億劫になってしまいました。このままでは仕事が続けられないと判断し、長年勤めていた会社を退職しました。
周囲からの「辞めないで」という言葉も、もう私の心に届きませんでした。心は完全に打ちひしがれ、仕事なんて続けられる気がしなかったのです。そんな状態の自分を客観的に見て、これは明らかにおかしいと感じ、藁をも掴む思いで「精神科」や「心療内科」という言葉で検索してみました。
Ⅶ.ワーカーホリックになるまで働いて得られた事
1.健康の大切さ
- 過労がもたらす健康への悪影響: 激務による疲労蓄積、不規則な生活、飲酒など、不健康な生活習慣が、心身に大きな負担をかけ、病気を引き起こす可能性があることを身をもって体験しました。
- 心身のバランスの重要性: 仕事だけでなく、家族との時間や休息も大切であり、心身のバランスを保つことが健康維持に不可欠であることを学びました。
- 早期の受診の重要性: 異変を感じたら、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることの大切さを認識しました。
2.家族の絆
- 家族の支えの大切さ: 祖父の逝去や父の病気など、困難な状況において、家族の支えが心の支えになったことを実感しました。
- 家族の健康も自分の責任: 家族の健康に関心を持つこと、そして、家族のためにできることを積極的に行うことの大切さを学びました。
3.仕事の価値観の変化
- 仕事だけが全てではない: 仕事も大切ですが、健康や家族、自分自身の心の状態も同様に大切であることを学びました。
- ワークライフバランスの重要性: 仕事とプライベートを両立させ、充実した生活を送るためのバランス感覚を身につけることの大切さを認識しました。
3.自己認識の深化
- 自分の心の声に耳を傾けることの大切さ: 周囲の意見に振り回されず、自分の心の声に耳を傾け、自分にとって何が大切なのかを深く考えることの重要性を学びました。
- 変化を恐れないこと: 環境の変化や新たな挑戦を恐れずに、自分の人生を切り開いていく勇気を得ました。
4.まとめ
- 健康診断の重要性: 定期的な健康診断を受けることで、早期に病気を発見し、治療を開始することができます。
- ストレス管理の重要性: 仕事や人間関係でストレスを感じた際は、適切なストレス解消法を見つけることが大切です。
- ワークライフバランス: 仕事だけでなく、趣味や友人との交流など、様々な活動を通じて充実した生活を送ることが大切です。
- 自己肯定感の向上: 自分の強みや可能性を認め、自己肯定感を高めることで、困難な状況を乗り越えることができます。
⑧初めての心療内科と建築現場での労働
近くのメンタルクリニックを受診し、「自律神経失調症2」と診断されました。当時のインターネット環境は今ほど充実していませんでしたが、デスクトップパソコンでできる限りの情報を集め、大学時代に学んだ基礎医学の知識と照らし合わせながら、自身の体調不良の原因を探りました。その結果、長年にわたる不規則な生活習慣が、体に大きな負担をかけていることに気づかされました。朝早くから深夜まで働き、飲酒や栄養ドリンクに頼る日々を送っていたことが、体調を悪化させていたのです。
退職後、実家に戻り療養に専念しましたが、経済的な不安と、一刻も早く社会復帰したいという焦りから、心身ともに休まることはありませんでした。生活リズムを整えようともしましたが、なかなか体調が回復せず、再び仕事を探す決意をしました。体力には自信があったことから、建築現場での日雇い労働を始めました。しかし、通勤時の電車に乗ることが大きな負担となり、体調管理が難しく感じました。
その後も、不安を感じた際は頓服薬に頼りながら、人通りの少ない時間帯を選んで外出するなど、様々な工夫を凝らして日常生活を送っていました。建築現場では、荷揚げや解体など、多岐にわたる肉体労働を経験しました。仕事仲間との付き合いの中で、どうしても飲酒の機会が多くなり、体調管理が難しくなることもありました。
そんな中、以前働いていた店の元上司から連絡があり、兄と一緒に電気会社を設立することになったので、ホームページの作成と管理を依頼したいと頼まれました。私が以前の職場でPOP作成やレポート作成を独学で学んでいたことを覚えていてくれたようです。正直、その人物とはあまり良好な関係とは言えませんが、仕事の話であれば協力できると思い、快諾しました。
しかし後にこの選択が更に病気を悪化させる事に繋がります。
Ⅷ.自律神経失調症になった事で学べた事
1. 健康の大切さ、特に心身のバランスの重要性
- 不規則な生活習慣が健康に与える影響の深刻さ: 長時間の労働、不摂生な食生活、睡眠不足などが、心身に大きな負担をかけ、自律神経失調症を引き起こす可能性があることを身をもって体験しました。
- 心身の健康は、仕事や日常生活を送る上で不可欠であることを痛感しました。
2. 人間関係の多様性と仕事の意義
- 人間関係は良好な場合もあれば、そうでない場合もあることを経験し、様々な人と関わることの難しさ、そして大切さを学びました。
- 仕事を通じて、自分の能力を発揮し、社会に貢献できるという喜びを感じるとともに、仕事が心の支えになることもあることを実感しました。
3. 逆境を乗り越える力と自己成長
- 病気や経済的な不安など、様々な困難に直面しても、諦めずに前向きに生きることの大切さを学びました。
- 困難な状況の中で、新しいスキルを習得し、自己成長を遂げることができることを実感しました。
4.まとめ
- 健康管理の重要性: 定期的な健康診断、バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動など、健康維持のための具体的な行動の大切さを学びました。
- ストレス管理: 仕事や人間関係でストレスを感じた際に、どのように対処すれば良いのか、様々な方法を試行錯誤し、自分にあったストレス解消法を見つけることができました。
- 自己肯定感の向上: 困難な状況を乗り越える中で、自分の強みや可能性に気づき、自己肯定感が高まりました。
- 仕事に対する価値観の変化: 以前は、ただお金を稼ぐことが仕事の中心でしたが、今は、自分の能力を発揮し、社会に貢献することの重要性を認識するようになりました。
…to be continued
脚注
- 糖尿病による低血糖(ハイポグリカミア)は、生あくびやけいれんを引き起こすことがあります。これらの症状は、血糖値が急激に低下したときに現れることが多いです。低血糖の他の症状には、震え、汗、不安感、めまいなどがあります。
↩︎ - 自律神経失調症(じりつしんけいしっちょうしょう)は、自律神経系の機能が乱れることで起こる症状の総称です。自律神経は、心拍数、呼吸、消化、体温調節などを無意識に調整する役割を持っています。
自律神経失調症の主な症状には以下のようなものがあります。
心拍の異常:動悸や不整脈
呼吸の異常:息苦しさや過呼吸
消化器症状:便秘や下痢
発汗異常:過度の発汗や冷や汗
疲労感:慢性的な疲れや倦怠感
精神的症状:不安やイライラ、気分の落ち込み
自律神経失調症は、ストレスや過労、生活習慣の乱れが原因で引き起こされることが多いです。対策としては、規則正しい生活習慣を守り、適度な運動やリラクゼーションを取り入れることが効果的です。また、栄養バランスの取れた食事や十分な睡眠も重要です。
専門的な治療が必要な場合は、医療機関で診察を受けることが推奨されます。 ↩︎